「普通」について

「これくらいできて普通」とか「普通はこうなってるもんだ」みたいなことってよく言うけど、「普通」ってのは結構レベルが高い位置に設定されてるよね。普通というよりは、理想に近い。

で、実はPerfumeの歌にそんな歌詞を含むものがあるんだよね。

ねぇみんなが言う「普通」ってさ なんだかんだっで実際はたぶん 真ん中じゃなく理想にちかい だけど普通じゃまだもの足りないの Perfume / Dream Fighter

この歌詞は、本当にそのとおりだと思う。

「普通」がひとり歩きしてるんだろうね。「みんなはこれくらいが普通だと思ってるんじゃないか」というのを予想して、高め高めの球を投げてるうちに、平均よりも上に設定されてしまう。

ただ、ここで設定された高めの「普通」っていうのは、実現するには結構な労力が必要になるんだよね。「社会人になったらこれくらいできて普通」とか言われることもあるけど、見た感じ、全部こなせてる人なんて存在してないけどね。PCを使いこなせて英語も話せてプレゼンもできて部下のマネージもできて接待もそつなくこなしてゴルフもうまくて家族サービスもしてるとか、そんな強者いないけどね。でも、できてなかったら「普通はこれくらいできないとダメでしょ」みたいな感じで批判されるんだからつらいよね。

できないからといって開き直って何も努力しないのはよくないけど、「すべてがカバーできてないから、自分はダメな人間なんだ」って自分を責めるのもよくないよね。みんなが無責任に作り上げた、よくわからない基準に惑わされすぎるのは人生がもったいないです。基準が自分の外にあると、振り回されることが多くなるし、ふとしたときに「どうして自分はこんなに頑張ってるんだろう」とか「これをやってどうなるんだろう」とかって悩みだすと思うんだよね。自分がそうしたくて努力してるんならいいんだけど、みんなの理想に近い「普通」を実現するためだけの努力は、むなしさが待ってるような気がしてしまいます。