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札束で殴るには札束が足りない

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「札束で殴る」という表現は、札束でほっぺたをペチペチ叩くという「ドラマあるある」な演出からきてるんでしょう。「お前はこの金が欲しいんだろ? 欲しかったら俺の言うことを聞けよ」的な、金で相手を従わせようとするシーン。

最近でこの「札束で殴る」という表現が使われるのは、課金系のスマホゲームに対してだと思います。お金で武器や道具を買って、あとはタップタップタップの繰り返しですすんでいくというようなゲーム。いかにお金を使わせるかに最も重点を置いて開発されたゲーム。

一応アイテムの形を間にはさんでいますが、実質的にはお金で進んでいくゲームです。武器で攻撃して敵を倒すというよりは、「札束で殴る」という表現がすごく当てはまっていると思います。

昔どこかで読んだ小説で、「テレビゲームは、画面を見ながら機械的にボタンを押し続けるだけの作業で、苦痛だった」みたいな記述を読んだ気がするんですが、そのときは「いやいや、外見的にはそう見えるかもしれないけど、実際にはストーリーを追ってたりするだろ」と思ってたんですよね。でも、最近の「タップ連打するだけのゲーム」はさすがに、やる意味あるんだろうか、という気がしてしまいます。僕はゲーム関連には近寄らないようにしてるけど、電車でそういうゲームをやっている人を見るとそう思ってしまう。

「札束で殴る」は、ビジネスでもたまに使う人がいます。時間をかけて試行錯誤したり、アイデアを出し合って質を高めていく、といったことをしないで、とりあえずお金で解決できるところはどんどんお金で解決していこう、すぐ買っちゃおう、すぐ払っちゃおう、という趣旨で使います。

ただ、これを言ってる人の想定している札束って、実際に必要な額に達していないことも多いんですよね。札束で殴るには、札束が足りない。

ビジネスの世界では、札束の多さが勝利に結びつきやすい一方、札束の多さで大企業に勝つのは不可能です。なので、無課金ユーザーに近い僕のような個人事業主は、戦い方を考えないといつまでも負け戦が続いてしまうし、いつかは札束でほっぺたをペチペチされてしまうことになってしまうわけですね。

(888文字)