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人工知能の黒魔術は、料理のテクニックに似ているのではないか

これを読みました。

「人工知能と黒魔術」(視点・論点) | 視点・論点 | NHK 解説委員室 | 解説アーカイブス

タイトルにある人工知能は聞いたことがある人は多いでしょうけど、黒魔術を人工知能の文脈で聞いたことがある人は少ないかもしれません。

上の記事を書いた人の著書ですが、この本には黒魔術についても言及されています。上のサイトでは次の部分が該当しています。

現在、人工知能の開発は飛躍的に進んでいるのですが、実は同時に科学者やエンジニア達は今、少し困った状況になっています。 それは、人工知能の性能を上げるほど、なぜ性能が上がったのかを説明できなくなっているのです。

このことを黒魔術と呼んでいるわけですね。

人工知能は、結果がよくなるように設定を調整したり計算式・計算方法をいじったりして改善していきます。そのときに使うそれぞれの道具の背景には、ある程度、数学などの科学的な根拠があります。しかし、なぜそれを使えばうまくいくのか、というのは完全にはよくわかっていません。部分的な理屈付けはできても、全体がわかることはないんじゃないかと思います。

他の分野でも似たことはあると思います。例えば、料理などでも、「こうするとおいしくなる」というテクニックはたくさんあるでしょう。このタイミングでこの調味料を入れるといいとか、この順番で調理するといいとか、オーブンでこの温度で何分間加熱すればいいとか。

これらに対して、科学的な理屈付けができる部分もあるでしょう。しかし、すべてが解明されることはないし、解明しようとする人も少ないと思います。よくわからないけどおいしくなるんだったら、それがすべてじゃないですか。10分過熱すべきところを、20分加熱したら焦げてしまうし、5分だと生のまま。こういう状況で、「なぜ10分がいいのか解明しよう」とするのもいいですが、そのレシピでおいしい料理を作ったほうが得られるものは大きそうですよね。少なくとも、足元は。

基礎から積み上げていく方式にこだわっていると、きっとすごく時間がかかるし、結果的に人工知能のレベルもそれほど上がらないのではないかと思います。

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