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「非正規の給料の方が高くあるべき」について

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派遣社員で働いている人が、正社員と同じような仕事・責任を負わされているにもかかわらず、正社員よりも給料が低い、とケースを耳にすることがあります。最近は、そうした差を修正しようとか、修正した、という話もたまに聞きます。

こうした話題が出るときに、「非正規の人の方が不安定でリスクが高いんだから、同じ仕事なら、非正規の人の方がたくさん給料をもらうべきだろう」という意見を言う人もいます。

僕も派遣で働いたことがあるので、気持ちはわかります。しかし、実際、非正規の給与体系のほうが上になったとすると、今、非正規で働いている人の多くが、雇われなくなるだけではないか、とも思います。

特別なスキルがあって、価格交渉力があるのなら問題はないのですが、そうではない場合には、「コストがかかるならいらない」となってしまいそうな気がします。

価格の決め方は、買う方から考える方法と売る方から考える方法があります。「いくらだったら買うか」というのは、まわりの値段はどれくらいかとか、払う金額に見合ったリターンが得られるか、などの観点で決まります。「いくらなら売るか」というのは、提供するのにどれだけの費用が掛かるか、それにプラスして自分の利益はどれだけほしいか、などの観点で決まっていくでしょう。

「非正規の人の方が不安定だから~」と考えは、売る方から価格(給料)を決めようとしています。ただ、これは、売り手に価格決定権があるときの話です。買う方が「いくらか高くなっても問題ない」とならなければ、普通は代替案を探しに行ってしまうでしょう。例えば、悪天候で野菜が値上がりしたときも、「高いけど買う」という人がいなければ、諦めるか他の食べ物に行ってしまうため、品薄でも売れ残ってしまいます。

悪天候の責任を喜んでかぶってくれる主婦がいないのと同じように、「非正規の人が抱えるリスク・不安定さ」を喜んでカバーしてくれる会社もないでしょう。「ルールで強制的に決めてしまおう」などと、もしやってしまえば、今まで非正規で働けていた人たちの職がなくなるだけではないか、と思います。

さすがに少しは改善されてほしいですけどね。

(888文字)