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入試の出題ミスと全員正解

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入試の出題ミスが発覚した場合、通常は「その問題は全員正解」という対応がとられる。この対応以外やりようがないんだろうけど、「そういう問題じゃないだろう」という気も前々からしている。

出題ミスの仕方にもよるが、ミスのある問題は、解こうとしたときに何かまずいことが起こる。答えが出ない、答えが選べない、答えが1つにしぼれない。こういうまずいことが起こったときに、普通の受験生は、自分が間違っているんじゃないか、と考えると思う。

もう一度問題文を読む。もう一度答えを出そうとしてみる。あれおかしい、やっぱり答えが出ない。こうして、深みにはまって、どんどん時間をロスしてしまう。

受験生が解けない問題に出くわしたときに、いきなり「これは出題ミスだ」と指摘するのは難易度が高い。その受験生のレベルがかなり高くないといけないし、その高さに自信がないといけないし、「出題ミスだ」と言い切れる確証も必要だろう。その確証を得るには検証が必要で、やっぱり時間をロスしてしまう。

出題ミスのあった問題が含まれていると、その問題に無駄に時間を使わされる人が出てきてしまう。そこに使った無駄な時間を他の問題に使っていれば、さらに解けていた可能性はある。

出題ミスのあった問題で時間をロスして他の問題が解けなかった人と、出題ミスのあった問題を捨てて他の問題を解いていた人。彼らをまとめて「出題ミスのあった問題は全員正解」とするのは、公平な措置とはいえないと思う。全員正解にすることで、その問題による点差はなくなるが、その問題にかけた時間差はなくならない。出題ミスのあった問題にかけた時間を、「なかったこと」にすることはできない。

厳密に言えば、公平な措置とは「もう一度試験をする」ということになる。しかし、それはコストがかかりすぎるので、現実的ではない。ということで、「全員正解」とするしかないだろう。

受験生にできることは、「解けない問題は捨てて、解ける問題からどんどん解いていく」ことだ。これは、限られた試験時間内に点数をたくさんとるための手法であるが、出題ミスがあったときのダメージを減らすための手法にもなりうる。

(888文字)