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バッキバキに壊れて捨てられた傘

台風などの雨風が強かった日の翌日には、道端にバッキバキに壊れて捨てられた傘を見かけることがある。強い雨風を受けて、傘がバッキバキに壊れて、もう修復できる見込みがない。だから、もうその辺に捨て去ってしまった。きっとそういうことなんだろう。

その辺に捨ててしまうのはいけないことだが、捨ててしまいたくなる気持ちもわかる。バッキバキに壊れた傘というのは、なぜだか恥ずかしい。持ってるだけで恥ずかしい。それをゴミ箱に捨てに行くまでのところを見られるだけでも少し恥ずかしい。

バッキバキに壊れたを持ったまま電車に乗るなんてのも恥ずかしいし、それを持ったまま会社に行くのも恥ずかしい。普通の状態なら、まとめたりたたんだりして小さくできるけど、壊れた傘は小さくできないので、目立ってしまう。なので、一刻も早く捨てたい、この身から離したい、という気持ちになるのだろう。

僕は、こうした「バッキバキに壊れて捨てられた傘」を見て、今までは「傘がバッキバキに壊れたから、持ち主が捨てた」というストーリーしか思い描けなかったのだが、少し前に見たニュース映像を見て、少し思い直すことがあった。

ある日、台風が上陸しそうだ、というニュースとともに、強風の中、傘をさして歩いているおじさんの映像が流れていた。このおじさんは強い雨風と格闘していたが、それもむなしく傘は反転してしまった。そして、次の瞬間、その傘はシュルルルルと飛んで行ってしまった。

「傘が飛んでいくことなんてあるんだ」と思ったけど、とてもあっけなく、傘はおじさんの手からフワッと離れて飛んで行ってしまった。僕は意外に思っていたけれど、そのおじさんは僕以上に意外に思っているような表情だった。なお、飛んで行った傘の行方は、残念ながらカメラが追うことはできなかった。

道端にあったバッキバキに壊れた傘は、壊れたから捨てられたとは限らない。壊れて飛んで行ってしまった、というシナリオもありえるのだ。道端に捨てられる予定ではなかったのだけど、今は道端にある。バッキバキに壊れた傘には、そういう経緯のものもあるのだ、と、あのニュース映像を見て、そう思いなおした。

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