早稲田大学博士論文不正問題に思うこと
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少し前に、STAP細胞関連で「存在の証明」という記事を書きました。今日は、博士論文問題について書きたいと思います。この問題の内容は、ウィキペディアの「早稲田大学博士論文不正問題」というページで詳しく読むことができます。
調査委員会は、
著作権侵害を含む当該論文は、過失により草稿が提出されたもの。本来提出するはずだった完成版の論文では、問題箇所の大半は削除済。残りの部分は不正だが、学位授与に重大な影響はないので、学位取消には該当せず。
と結論を出しました。学位授与の前提がめちゃくちゃ(ちゃんと出してないし、ちゃんと見られてもない)なのに、学位取消の部分だけ(早稲田の)ルール通りという判断になっています。
既に多くの人が指摘している通り、今回の対応を受けて、早稲田大学の名や博士号の価値は下落すると思います。これから受験する人は、別の大学を選択することができます。しかし、卒業者はたとえまじめに論文を書いていたとしても、そう評価してくれなくなる可能性は高いです。早稲田大学だけでなく、日本の大学全体に波及し、世界の中における日本の大学の地位が落ちると指摘する人もいます。
日本の大学は、「入るのは難しく出るのは簡単だ」とよく言われます。大学は社会に出る前に遊びほうける時間帯だ、と。でもこれは文系の話で、理系は大学院まで行く人も多いし、ちゃんと研究している割合は高いと思ってたんだけど。
それにしても、ウィキペディアにまとめられている、調査報告の反響は面白いですね。京大教授の「脱法博士号」とかうまいこと言うなぁ。近大講師が「ずさんな博士号授与がSTAP問題の遠因である点を問題視した」って書いてるけど、これもまさにその通りだよなぁ。やっぱり、まじめに研究している人からすると、博士号の名を汚すようなことは、受け入れられないですよね。
ただ、茂木健一郎だけは違うんですよね。
「なぜ取り消さない、といきり立つのは、非論理なファシズム」と批判し、「あちらだ、こちらだと、ろくに考えもせず右往左往する人たちが多すぎる。」と苦言を呈した。
あの判断結果を見て、こういうことを言う人もいるんだなぁ。