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「1回できる」のn回繰り返しと「n回できる」の差

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次の引用は料理の話の文脈で出てくる文なんだけど、他のところでもあてはまると思う。

「本には作り方は載っているが、作り続け方は載っていない」 少し前にも書いたけど、一回こっきりしか作らないのであればちょっと無理すれば大抵のことは出来る。大変なのは作り続けることだ。 でもそれと心に響くこととはまた別なことだ | trattoria blackbird

数学的には、「1回できる」をn回繰り返すことと「n回できる」ことはイコールだ。しかし、現実世界では、この2つがイコールではない場面も多いだろう。

「1回できるかどうか」で問題になるのは、技術力や体力、ひらめきや運といったものが挙げられると思う。これらがなくて1回すらできない、ということはよくある。

これらのうち、たまたまひらめいた、運よくできた、というものを継続的にやるのは不可能だ。また、体力を出し切って一回できたものに対して、「その調子で、毎回体力を出し切ってやってくれ」というのも無理だろう。では、技術力で一度クリアできたものならどうかというと、これも簡単ではない。

「1回でもできれば、それでいい」こんな条件なら、問題が発生していても放置することはできるだろう。「お金かかっちゃったけど、今回だけだしいっか」「睡眠時間なくなっちゃったけど、一度だけだしいっか」「すごく手間がかかって精神的にしんどかったけど、いっか」。だけど、「継続的に対応する」ならそうもいかない。お金がかかる、時間がかかる、手間がかかるだと、いくら「1回なら能力的にできる」といっても、継続的に対応するのは難しいだろう。お金も時間も集中力も、尽きるのは早い。

何でもそうだけど、初めてやることは、だいたい効率の悪い方法でしかできない。繰り返して行うなら、効率の悪いところを消していき、枠組み化する必要があるだろう。「一度だけ作る」と「継続して作る」は、同じものを作るのではない。対外的に見える完成品は同じでも、継続して作るほうは内部に「体制」を作らないといけないだろう。「n回足す」を「掛けるn」とできるくらいの、効率的な枠組みを作らないと、継続的には作れない。

(888文字)