二宮和也、ビートたけし出演のドラマ「赤めだか」の感想
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ちょっと時間がたってしまったけど、昨年末に放送されたドラマ「赤めだか」の感想を。落語家・立川談春の同名エッセイのドラマ化です。ドラマでは、立川談春が立川談志のもとに弟子入りし、二つ目になるまでを描いています。
まず、出演者がよかったです。二宮和也が談春役もよかったですが、ビートたけしが立川談志役というのがおもしろかったですね。立川談志の弟子の一人が、「ここの弟子を辞めてビートたけしの弟子になりたい」と告げるシーン、ビートたけし本人が弟子を出すサイドにいるっていうのは変な感じでした。その弟子は談志の名前を一文字借りて「談かん」と名乗っていて、のちのダンカンだという歴史も学べました。
また、立川ダンボール役の新井浩文も、弱気で気が利かない役をうまく演じていました。立川志らく役の濱田岳は、「落語がうまい」という前提の役なので難しそうでしたけど、落語も上手にやっていましたね。立川志の輔は、元の人物をよくテレビで見るので、香川照之っていうイメージではなかったですけど。林修一役のリリー・フランキーも、偉そうな評論家という感じがよく出ていました。普段は「頼りなさそうで実はデキる人」みたいな役が多いけど、今回は終始悪い人でした。
ちょい役で、本人や大物が出るシーンも多く、豪華な感じに仕上がってましたね。三遊亭円楽、春風亭小朝、春風亭昇太。あと、笑福亭鶴瓶も。ドラマの前後で鶴瓶の一人トークがありましたが、あれは必要でしたかね。なぞです。落語ではないですが、中村勘九郎も出ていました。
落語に関して知識のない人でも楽しめるように入れられた薬師丸ひろ子の解説も、多すぎず邪魔してませんでした。また、「わざと場面を止めて、二宮の心の声を出す」という手法を使っていましたが、個人的にはこのやり方はわかりやすいな、と思いました。
成長ドラマであり、ところどころ感動的なエピソードを挟んでくるので、ずっとのめりこんで見ていました。一番好きだったシーンは、二つ目昇進落語会でビートたけしが三本締めをするシーン。ビートたけしを後ろから撮って、向こう側にお客さんが座っている絵が一番きれいで好きでした。