オプションの多い喫茶店
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東京に来て数回くらいのときに、とあるカフェにふらっと入ったときの話。もう何年も前のことなので、名前とかは忘れちゃったけど、衝撃が大きすぎて今でも覚えてる。
そのカフェは時間制で、コーヒーを頼むと30分居られる、みたいなルールのある店でした。「さすが東京、場所代がかかるからこういう店もあるのか」と、はじめは感心したんですよね。
で、30分よりもっと長く居たい人は、追加注文するか追加料金を払うか、どちらかを選ばないといけません。でも、はじめから別に用意してある「お得なセット」を頼めば、2時間まで居ることができます。さらにさらに、「別のセット」なら、時間制限なく店に居られます。
だんだん混乱してきました。普通の店なら、セット内容と料金だけを見ればいいんですが、そこに「滞在時間」も絡んでくる。変数が多すぎて、この方程式解けないよ!
このお店のシステムはややこしいのですが、このややこしさはどうやらお店も認識しているようなんですね。というのも、お店に入ったとたん、初めて来たかどうかを聞かれ、初めて来たお客にはバイト店員がこの複雑なセット内容を長々と説明し始めるのです。
たぶん、お客がいろいろ選べるように、オプションを増やそう、それがお客のためになるはずだ、という考えがあったんだと思うんですよね。そうすると、今度はわかりにくくなってしまった。だから、バイト店員に教育して、お客一人一人に丁寧に説明するようにしよう、という流れになったんだと思います。
しかし、1回説明を聞いただけでは、自分に最適なセットにたどりつけません。状況はクリアにはなりません。結局、僕は一番安くてすぐに店から出られるセットにしました。
多すぎるオプションよりも、優秀な初期設定の方が望ましいです。ニーズの最大公約数を初期設定として採用できれば、多くの場合それで事足りるはずです。また、オススメプランを用意して、それと比較できるようにするという手もあります。全部を同時に比較するより、1対他と比較するほうが、負担は減ると思います。
選べないことは不満につながりますが、選ばないといけないことも負担になってしまいます。