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「同一労働同一賃金」はホワイトカラーにはそぐわない

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「同一労働同一賃金」の話は、ニュースになることも多い。しかし、本当にするべきなんだろうか。そう疑問に思う理由の一つに、「同一労働同一賃金」はホワイトカラーの仕事にはそぐわないのではないか、という考えがある。

会社から見ると、支払う賃金の元になるのは顧客からの支払いだ。だから、「その支払いにどれだけ貢献したか」に応じて、労働者たちに分配するのが自然だ。この貢献度の計算は一般的な算出方法があるわけではないので、どうやって計算するかは別の問題として残るが、そもそも「労働が成果にどう貢献したかを計らないで、賃金を決める」というのは、できるんだろうか。というか、正しいんだろうか。

手を動かして時間をかければ、それに比例して成果が上がる、そのような仕事であれば、まだ理解できる。しかし、ホワイトカラーの仕事では、同じように手を動かして時間をかけたとしても、成果物の質がぜんぜん違うことはよくある。

「同一労働同一賃金」は幻想か?―正規・非正規労働者間の格差是正のための法原則のあり方―(PDF)

ニュース:「同一労働同一賃金」導入に向けた検討開始、一億総活躍国民会議で首相表明  政府、ガイドライン策定の議論へ | アドバンスニュース

これらの資料によると、フランスでは、法律上は同一労働同一賃金原則を定めているものの、提供された労働の質の違いや在職期間の違いなどが、「同一労働同一賃金原則の例外」として広く許容されているとのこと。

また、フランスやドイツでは、「同一労働同一賃金」は「不利益取扱い禁止」(合理的な理由がないのに不利な取り扱いをするのは禁止)という解釈で運用されている。「合理的な理由」というルールは抽象的でトラブルが起こりそうに思うが、実際には大きな問題にはなってないようだ。それだけ、画一的なルールの導入は難しいということなのだろう。

パートなのに正社員と同じようなノルマが課せられるといった扱いは許されるべきではない。しかしその解は「同一労働同一賃金原則」ではない気がする。欧州の例を見ると、「不利益取扱い禁止」の方が現実の「本当に解決したい」問題の解消には役立つと思う。

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