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「俺が若かったときは、こうしていた」の効果について

🏈

だんだん年をとってくると、「俺が若かったときは、こうしていた、こういうことをしていた」と若者にアドバイスすることってあるじゃないですか。逆に年上の人から同じことを言われることもありますけど。

この発言、もちろん、単に事実を伝えるのが目的である場合もあります。昔に行っていた慣習、当時のルールや考え方などを説明する場合ですね。事実を伝えれば、用件は終わりです。また、単に自慢したいだけ、という場合もあります。「昔はつらかったわー。まじ、つらかったわー」という、昔はこんなに大変だった、今はすごく恵まれているぞ、という不幸自慢ですね。こういう場合もあるでしょう。

しかし、一番多いのは、「若者にこういう行動をとってほしい」という意図があるケースなんじゃないでしょうか。「この仕事をする上では、こういう努力やスキルが必要だ」ということを伝えるために、「俺も若かったときは、こういうことをしていたんだよ(だから、君にもしてほしい)」と言ってるのではないかと思います。

ただ、この意図は伝わらないことが多い気がします。1つは、この発言を聞いた人が、「単に事実を伝えてるだけ」と判断している場合です。「あー、昔はそうだったんですね。今は今でまた考える必要がありますが」というくらいの冷静なスタンスで聞いていれば、行動につながることは少ないでしょう。

また、この発言を聞いた人が「発言者のような人にはなりたくない」と考えていることもあると思うんですよね。こっちはかなり残念なケースです。

相手に行動を促す目的の場合、発言の背景には「俺についてこい」的な想いがあると思います。しかし、これが行動に結びつくためには、「この人みたいになりたい、この人についていきたい」と思われているという「重要な前提」が必要だと思うんですよね。逆に、反面教師的に「この人みたいにはなりたくない」と思われていたら、行動に結びつくことはないでしょう。

なので、相手に動いてほしい場合は、遠回りなことはせずに、「こういう場面で必要になるから、これをしたほうがいい」と直接伝えたほうが、コミュニケーションロスが少ないように思います。

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