「君にはこの部署が適している」と人工知能が言っている
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これを読みました。
ITで人事効率化 HRテックをVBが開拓 経歴・適性など一元管理 勤怠実績分析、離職防ぐ :日本経済新聞
「本当にうまくワークするんだろうか」という否定的な第一印象。
従業員情報を一元管理したり、社会保険の手続きを自動化したりして、人材の適正配置や生産性向上につなげる。
社会保険手続きの自動化は、できるならやったほうがいいと思うけど「HRテック」という名前がつくようなものではないと思う。人事部の負担が減るのはいいことだけど、これはただの「業務フローのIT化」であり、「人工知能がー」みたいな話とは違う気がする。
人材の適正配置のほうは「最新技術によって達成されるもの」だと思うんだけど、こっちはそもそもできるのか疑問がある。配置の仕方に正解というのもないし、配置した結果が正解だったか判断するのも難しい。人工知能は、どうやって学習していくんだろう。
勤怠実績のデータを解析することで勤務意欲が下がっている従業員を探し出し、離職を未然に防ぐ。
勤怠実績データを解析して「勤務意欲が下がってる」ってどうやって判断するんだろう。まさか「早く帰ったら勤務意欲が下がってる」と判断されてしまうんだろうか。いやそれはさすがにないか。これを判断するには、勤務意欲を示す数値データなどが必要だと思うんだけど、どこからそれが出てくるんだろう。
昇格や異動に関して、ある程度の不満が出るのは仕方ない。椅子の数や場所は決まっているので、全員が座りたい椅子に座れるわけではない。なので、どう決めたとしても、「決定者」に対する不満は生まれてしまう。
人間が判断すると、好き嫌いや偏見などによって、望んでいない人事判断が行われることもある。だからといって、これを機械行わせて、「『君にはこの部署が適している』と人工知能が言ってるんだから、しばらく頑張ってみてよ」って言われて、納得感が増すかどうか。人工知能がそういうなら仕方ないかと思えるか、まだ人間が判断するほうがマシだったと思ってしまうか。
人事は失敗すると人がいなくなるリスクもある。この分野で流行りものに乗っかるのは、慎重になるべきだと思う。