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経営者の都合、という権利

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これを読みました。

“休憩”も労働時間に含める判決 | NHKニュース

タイトルだけを見ると、「休憩時間にも時給が発生する」的な読み方もできますが、もちろんそんなことはありません。「拘束のある休憩は、休憩じゃなくて労働だよ」っていう話です。

14日の判決で、東京地方裁判所の清水響裁判長は、「休憩中に部屋を離れるときには無線機を持たされ、仕事場の敷地の外に出ることも許されないなど労働を義務づけられていた」と指摘しました。 そのうえで、こうした休憩を労働時間に含めると倒れる直前の時間外労働は月100時間を超えるとして、労災と認めました。 男性の弁護士によりますと、休憩を労働時間に含める判断は異例だということで、「警備員の労災を巡る問題では休憩の扱いが争いになることが多く、今回の判決は意義がある」と話しています。

経営者的には「その時間に作業や生産や提供をしていないんだから、『労働時間』じゃない」と言いたいのかもしれません。でも、労働者からすると「その時間に『その雇用契約のせいで』自由にできないなら、『休み』じゃない」というでしょうね。

もし休憩時間なのに、「経営者の都合で勤務時間に変えられる」「経営者の管理によって行動が制限される」という状況であれば、経営者はそういう「権利」を買っている、ということができます。タダでその権利を行使できるのはおかしいので、本来は経営者による支払いが発生するのが当然でしょう。

この裁判では、労災かどうかの判断において、残業時間の長さが問題となっていたんですね。「名ばかり休憩時間=実質労働時間」という解釈をして、残業時間が長すぎた、としました。しかし、この間に発生していたはずの給料はどうなるんでしょう。

フルフルでの金額は出ないにしても、システムの保守費のような形での支払いは本来あるべきだと思うんですよね。これは成果主義などとはまったく関係のない次元での費用で、実際には何もなくても支払われるべきものでしょう。労働者は無料でそんなサービスを提供する必要はありません。雇用後に突然そんなことを要求してくる会社なら、どう考えてもブラックでしょうね。

(888文字)