公開前に相手に記事を見せない場合に必要な前提
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昨日に引き続き、この記事に関する話を。
BuzzFeed Japan古田氏とヨッピー氏が語る、「ダメなメディアと良いメディア」を分けるたった1つのポイントは?|ferret [フェレット]
この中で、記事を公開する前に取材相手に記事を見せるかどうかについて、意見の違いが見られます。元新聞記者の古田氏は、次のように発言しています。
我々は客観的に記事を書きますよね。時には、相手にとって嫌なことも書くわけです。 それを公開前に見せてしまうと、相手が「ここを変えて」と言ってくる可能性がある。 単なるミスの指摘ならいいんですが、文章表現を直そうとしてくる場合があるんです。 なので、新聞社時代は、公開前に取材相手に記事を見せるのはご法度だったんです。
一方、ヨッピー氏は次のように発言しています。
僕は、インタビューでもなんでも必ず記事をチェックしてもらうようにしていますね。 ただ、原稿を事前に見せても戦う手段はあるんですよね。 例えば、広告依頼された商品のダメなところを書いて、クライアントから「そこは書かないで」と言われた時は喧嘩しますね。 (中略) そもそも、記事を書くのにあたって、悪い部分を隠したりウソを書いたりすると、テレビや雑誌と違ってWebだと絶対誰かが気付いてツッコんできますからね。
元のテキストがネット上にあって、それにツッコむツールもネット上にあるんだから、問題があったときは炎上しやすくなります。テレビや雑誌なら、ツッコむのは電話・はがきかネット上のツール経由であり、ソースのある場所とツッコむ場所が違うから、問題があっても目立たないことも多いんでしょうね。
上の二者のうち、後者のスタイルを貫くには記者に交渉力がないとダメですが、前者のスタイルを採用する場合にも前提が必要になってきます。記者が誠実で事実認識や記述の仕方に悪意がない、という前提がないと、本来前者のスタイルは採用してはいけないはずです。記者への信頼がないと、「公開前に見せろ」「ここを修正しろ」という先方からの指摘はなくならないだろうし、悪意のある状態で記事を書いて公開するからトラブルも絶えないんでしょうね。
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