自業自得かどうかで保険金が変わるようになれば、「自業自得」基準はどんどん上がっていくだろうな
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「自業自得で人工透析患者になった人は救わなくていい」と書いたある人の記事が、炎上しています。元記事へのリンクは貼りませんが、元記事への言及記事はいくつか紹介しておきます。
透析患者は殺せと言う長谷川豊の暴論にデータに基づいて反論してみる - Noblesse Oblige 2nd by iGCN
長谷川豊氏の記事は「敵を作って叩く」というフォーマットを踏まえていることも指摘しておこう - しいたげられたしいたけ
長谷川豊さんの「自業自得の人工透析患者」論と「自分はつねにアリの側である」と信じられる人 - いつか電池がきれるまで
自業自得で病気になった人に対して、ネガティブな印象は僕も持っています。例えば、肺がんになりやすいと言われているタバコを吸って、実際肺がんになって、保険が使われるのは、タバコを吸わない人間からすると受け入れがたいものがあります。
そうした感情をベースにしているものの、元記事は極論です。数字の根拠も適当で、言葉が汚かったこともあり、多くの人が不快な気持ちとなったため、炎上したのだと思います。
そもそも、自業自得で病気になったのかどうかを判断するのは、難しいケースが多いでしょう。風邪なども含め、今まで自分がかかってきた病気を振り返って、「これは自業自得、これは自業自得じゃない」なんて分けられないと思うんですよね。
それに、もし自業自得かどうかで保険金が変わるようになったとすると、保険財政が苦しくなるにつれ、自業自得かどうかの基準はどんどん上がっていくでしょうね。「毎日3食○品目を食べて、甘いものや脂っぽいものを食べず、定期的に運動し、ストレスを抱えることなく、8時間睡眠をする、という規則正しい生活ができていない人が病気になるのは自業自得」とかになっちゃうんじゃないですかね。
信号を守ったのに交通事故にあった人と赤信号を無視して事故った人、両者に支払う保険金に差をつけることはできるでしょう。でも、自業自得で病気になったかどうかで保険金に差をつけるのは、実際には難しいでしょうね。できるとすれば、生活スタイルによって保険料に差をつけるくらいですかね。