アーティストは「光年」を時間の単位だと誤解しがち
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よくある誤解なのでスルーしたいんだけど、聞くとやっぱり気になってしまう。
1光年とは、1年の間に光が進む距離のこと。「年」とついているから時間の単位と思いがちだけど、距離の単位。約9.5兆km。大きすぎてよくわからないですが。
映画「君の名は。」の主題歌である、RADWIMPSの「前前前世」ですが、
どっから話すかな 君が眠っていた間のストーリー 何億 何光年分の物語を語りにきたんだよ
の部分は、やっぱり違和感があります。直前に「眠っていた間」とあるので、その後は時間を表す言葉が来るのが自然だと思うんですよね。「何億 何光年分」は「何億年分、何光年分」の略で、膨大な時間と距離を表してる、と考えられるかもしれないけど、無理がありそう。そもそも時間は関係なくて距離しか表していない、つまり、「何億何光年分」を距離を表す言葉として使っているという解釈もあるだろうけど、「○kmの物語」みたいな言い方はあまりしないような。
また1から探しはじめるさ 何光年でも この歌を口ずさみながら
という歌詞もあるので、やっぱり時間の単位だと思ってそう。
旭化成のCMでも使われている、山口百恵の「さよならの向う側」ですが、
何億光年 輝く星にも 寿命があると 教えてくれたのは あなたでした
「寿命」といってるので、これも「何億光年」を時間の単位だと考えてそうです。「何億光年（先で）輝く星」と考えればつじつまはあいますが、難しい解釈です。「何億光年 離れた星」とかなら意味は正しくなりますが、歌詞としてはいまいちかもしれません。
あと、THE YELLOW MONKEYの「BRILLIANT WORLD」。
何十年 何百年 何千年 何万年 何億年 何光年 何秒間君といれるだろうか？
この並びだと、時間の単位と考えてるとしか思えません。
文学的な内容に理系的なツッコミを入れるのはバカげてるかもしれませんが、聞くたびに気にはなってしまいます。。。
星田 直彦
講談社
(802文字)
