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居酒屋とアドホックカテゴリー

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以前、「半個室がめんどくさい」という記事を書きましたが、これに関連して、次のような論文を見つけました。

店舗選択時のメニューの重要性と顧客視点からみたメニューのカテゴライゼーション : 居酒屋チェーンを事例として

リンク先の「論文PDF」をクリックすると、中身を見ることができます。冒頭からかっこいい。

人はどうやって居酒屋を選ぶのか。

さすが、論文っぽい。

「どうやって居酒屋を選ぶのか」という問題が冒頭で掲げられていますが、副題にあるように「居酒屋チェーン」を使って分析しています。チェーン店にしぼっている時点で、すでに店舗選択にバイアスがかかってしまってます。その点は執筆者たちも認識していて、「飲食店全般への一般化は難しいが、手法の提示という点で貢献できた」旨が記載されています。

論文の中で「アドホック・カテゴリー」という考え方が紹介されています。アドホックとは「特定の目的のための」といった意味で、つまり、目的で分類するということですね。この論文では「各メニューはどういう目的を果たすものと考えられているか(出てくるのが早いとか、腹持ちがいいとか、みんなで分けやすいとか、健康的とか)」という観点で語られています。

こうした考え方は、「ドリルを買う人が本当に欲しいものは、ドリルではなくて穴」という有名な格言や「ソリューション営業」といった考えに通じるもので、今では多くの人が知ってると思います。「アドホック・カテゴリー」という言葉は知りませんでしたが。

「この商品がどういった目的に使われるものか」を考えることは、自分の視野を広げるのにも役立つと思います。「どういう場面で使うか」を考えることで、商品の改良点が見つかるかもしれないし、「どんな人が使うか」を考えることで、顧客層を広げられるかもしれません。「その目的を果たせる商品にどんなものがあるか」を考えることで、本当のライバルを知ることにもつながるでしょう。

前に僕が飲み屋を探していたときには、「年上の人を含めた数人でゆっくり話がしたい」が目的だったので、探しているものは「居酒屋」ではなくて「個室」だったのかもしれません。

(888文字)