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理由が解明されない物語が苦手

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僕はほとんど小説を読まないのですが、何度かトライしようとしたことはあります。その中で、推理小説なら、楽しく読めるものが多いな、と感じます。

僕は学生のころから数学が得意で、問題が解けたときの爽快感が好きだったのですが、推理小説で犯人やトリックがわかったときに湧き上がる感情が、それと似ているからなのかもしれません。

有名どころですが、「十角館の殺人」はすごかったですね。「一瞬ですべてがつながってしまう場面」とは、こういうことを指すのか、という感じ。

似たような理由で、伏線の回収がうまい小説も、楽しく読めます。何のつながりもないと思っていたものが、実はつながっていたと分かったときのあの感じ。軽い興奮状態になりますよね。

一方、理由が説明されない話や、伏線っぽいのが回収されない話、謎が謎のまま終わる話は、あまり受け入れられません。読んだ後のモヤモヤ感が大きく、苦手です。

例えば、村上春樹の本はいくつか読んだことがあるのですが、僕が読んだ本(「1Q84」とか「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」とか)では、不思議なことや理由がわからないことが起こるものの、その説明がどこにも出てこないまま、終わってしまいます。「1Q84」などですでに経験していたので、「多崎つくる」の終盤を読んでいる頃は、「あぁ、謎は謎のままで終わってしまうんだなぁ」と少し憂鬱になっていました。

「文体が受け入れられない」と言う人もいますが、僕はどちらかというと、謎が謎のまま終わってしまうストーリー自体の方が受け入れられないです。なので、僕は村上春樹の小説に向いていないんだと思います。

もちろん、この世界では、不思議なことも意味不明なことも起きます。すべてに理由があるわけでもないし、あっても分かるとは限りません。でも、それは自分で世界をコントロールできない場合の話です。小説は作者がコントロールできるんだから、世界を閉じてほしいな、と思うんですよね。その世界の向こう側まで、自分の想像力で作りたい、とはあまり思いません。

問題が出題されて、その答えも提示される、という小説が、自分には一番しっくりきます。

(888文字)