計画を立ててもその通りにいかないことを、僕たちは夏休みに学ぶ
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計画を立てても、多くの場合、その通りには行かない。緊急の問題が起こってその対応に追われたとか、実はこれもやらなくてはいけないことに気づいたとか、あれがないと作業ができないんだが手に入れるのに時間がかかるとか。
他には、今日はちょっとやる気が出ないとか、今日はちょっと眠たいとか、今日はちょっと腰が痛いとか。
計画通りにいかない理由はたくさんある。
でも、計画通りにいかないことは、仕事を通じて、生活を通じて、自然と何となく学ぶようなものではない。僕たちは、子どものときの夏休みに、強制的に学ぶ。
計算ドリル。毎日2ページやれば終わるじゃないか。夏休みの初日には、誰しもがこういった計算をする。しばらくは計画通り進める。ドリルすんのかい。しかし、やがて続かなくなる。ドリルせんのかい。
人間は、めんどくさいことを毎日少しずつしようとすると、挫折するようにできている。
そして、最終日。なぜか終わっていない計算ドリル。理論上では残り2ページだが、現実は大量の白紙ページ。夏休み当初、40で割ったのは何だったのか。割り算の意味なんてないのか。そう、これが、数学なんて実社会では役に立たない、と言われるゆえんである(違う)。
絵日記もやっかいだ。40日もあれば、何かイベントがあるだろう。当初はそう楽観視していたはずだ。しかし、書くネタは、探さないと見つからない。降ってくるわけではない。また、最終日に一気に思い出そうとしても、なかなか思い出せない。
僕らは、子ども時代の夏休みで学んだこのようなことを、仕事でも活かしている。例えば、「締め切りまで10営業日もあるから、1日10%処理すればいいな。いや待てよ。10人で分ければ、1%で済むじゃん」みたいな計算をしていると、締め切り間近に死んでしまう。「今週末に企画書の締め切りがあるけど、1週間もあればいい企画を思いつくだろう」と思っていると、やはり締め切り間近で死ぬ。子どもの頃に学習した僕たちは、こんな計画を立てることはないし、締め切り間近に死ぬこともない。
しかし、どうやら僕は学び損ねてしまったようだ。というわけで、夏休みからやり直したいです。