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インスタ映えとテレビ映え

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インスタグラムにアップされる写真のうち、見栄えがよく、みんなからの高評価が得られるような、ひときわ映えるものは「インスタ映えする」と言われる。高評価が欲しい人は、インスタ映えする写真を撮ろうと頑張るし、高評価に価値が見いだせない人は、そういう写真を撮ろうとする人たちのことが理解できなかったり、時にはバカにしたりもする。

インスタ映えを気にする人には、「自分のページは、見栄えのいい写真で埋め尽くされているべきだ、キラキラしているべきだ」と考えている人もいる。その結果、インスタにあふれるキラキラの多さに、疲れて遠ざかってしまう人も出てくる。

この「見栄えよく、キラキラしているべきだ」というのは、今は個人でもSNSで実現できるようになったけど、少し前まで、舞台のメインはテレビだった。

テレビに出る人はキラキラしているべきで、映る映像も、流れる音楽も、キラキラしてないといけない。ストーリーだって同じだ。努力をすれば夢はかなうし、頑張れば成功するし、いい人は報われる。一方で、悪い奴は見るからに悪く、最終的に彼らには天罰が下る。そういう、わかりやすくてきれいで理想的な「テレビ映え」するものを流してきたし、それらを流すことがテレビの使命だと言って作ってきた人もいると思う。行き過ぎて、キラキラしてないものを、人工的にキラキラさせて映すことだってある。

こうして作られるテレビ番組に、「いいね」と言う視聴者もいるけど、興ざめしてしまう人たちもいる。インスタ映えする写真を見て、「いいね」する人と小馬鹿にする人がいるように。

「キラキラしたテレビばかり見たくない」という人は、「人工的に作られてるキラキラじゃなくて、天然物のキラキラが欲しい」とか「そもそも、キラキラしてないものが見たい」と思っているのだろう。そして、実際、それらに応える番組は、結構ヒットしたりする。視聴率的にはよくなくても、話題になり、熱狂的に好かれることもある。

インスタは写真がメインだから、現実から切り取れられる部分は小さく、盛りやすい。しかし、テレビは「人工的なキラキラ」だけで生き延びてくことはできないだろう。

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