今日も8時間睡眠
888文字のブログです

評価の類似か、商品の類似か

🧦

これを読みました。

O'Reilly Japan - 仕事ではじめる機械学習

実務で手を動かしていくにはどう進めていくか、という視点で書かれていてとても参考になりました。理論ばかりの本でもなく、流行りのトピックを終始ふわっと取り上げてるだけの本でもなく、タイトル通り「仕事で始めるための」本です。

この本の中で、映画の推薦システムを作る話が取り上げられています。この作り方として、評価の似ている人や、似たような評価をされている作品をもとに推薦する方法と、作品の類似性をもとに推薦する方法の大きく2つがある、という話が出てきます。

ここを読んで、「あぁ、これはまさしくアマゾンと楽天の違いだなぁ」と思ったんですよね。両社がどういうふうに推薦システムを使っているかは知らないですが、自分で使ってみたり、使っている人の意見を聞くと、こうじゃないかな、という予想はできます。

アマゾンの方は、前者の作り方なんでしょう。違う分野の商品でも、興味がある商品を推薦できるのは、商品の類似よりも、評価の類似を重視した判断をしているんでしょうね。使えば使うほど、推薦の精度は上がります。精度が上がりすぎると、時に気持ち悪さを感じることもありますが、抜け出せなくなる人、ついつい買ってしまう人もたくさんいるでしょう。一方で、人気のない商品は、いつまでも人気が出ないまま、となってしまう可能性はあります。

楽天は、後者の方でしょうね。商品の類似を見ていないなら、色違いとかサイズ違いの商品が頻繁に勧められることはないですからね。商品を出すときに、タグ付けができることも含めて考えれば、商品の類似が重視されているんでしょう。この方法だと、商品が売り切れていたときに別商品を推薦できたり、まだ評価されていない新商品でも推薦できたりします。しかし、似たものを複数買わないような商品(一家に一つしかないようなもの)の場合には、推薦しても買われないことが多いでしょうね。

どんな商品を売るか、どう売りたいかによって、推薦方法の正解も変わってくるんでしょうけど、どちらかというと、前者の方が効果的な場面は多いように感じます。

(888文字)