計算が早いと数学ができるようになりやすい、ということ
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前に、数学は計算だけじゃない、考える学問なんだ、という話をしました。だから、「数学ができること」と「計算が早いこと」は一致するわけじゃないと書きました。
しかし、矛盾するような言い方ですが、「計算が早いと数学ができるようになりやすい」ということはあるんですね。
その理由は、計算が早ければ練習問題の量が増えるからです。1時間数学を勉強する場合、計算が早い子と遅い子では、解ける問題数が変わってくるんですね。計算が早いと、より多くの問題に接することができるので、数学ができるようになりやすいわけです。
数学は、「問題を読んで、それを数式に表現しなおしてから、解く」という流れが一般的です。この後半部分は計算です。ここが早いと、たくさんの問題にあたれるようになるんですね。
もちろん、問題を数式で表現することができないと、いつまでたっても解けるようにはなりません。なので、計算だけが早くてもだめです。しかし、多くの問題を解くことができれば、そのコツがわかるようになるのも早くなってきます。
テストでも、計算の速さが問題になります。難しい問題を解くときは、どういうふうに解けばいいのか、試行錯誤することになります。「この方法で解いてみるか、いや、これでは時間がかかりすぎる、ではこっちの方法で解いてみるか、よし、これだと解けそうだ」といった判断をしていきます。このとき、どの方法で解くか取捨選択するには、ある程度計算してみて計算量を予測する必要が出てきます。計算が早いければ、予測がすぐにできるので有利になります。
これは迷路でさまよっているのと似ています。別れ道があれば、どちらの道に進めばいいかいったん決める。そして、選んだ道が正しそうかどうか、ある程度進んでみてから考えるわけです。行けそうならそのまま進むし、行き止まりだったら分岐点まで戻って別の道を行くだけです。行き止まりかどうかの判断が、ゴールする速さに影響するんですね。
このように、数学は決して計算だけの学問ではないのですが、計算が早いと数学ができるようになりやすいんですね。