数学の対決漫画なんてものがあったら、こういう感じだと思うの。
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数学コンクール全国大会に向けた、予選。大勢の観客たちが見守る中、主役とライバルが入場。会場中央の机に着席する。
ライバル
「ふふふ。のこのこ負けに来たのか」
主役
「負けるもんか! 僕はこの日のために、勉強してきたんだ。咲いたコスモス、コスモス咲いた・・・」
ライバル
「ふんっ」
数学界の巨匠
「両者一斉に、はじめっ!」
会場のモニターに映りだされる数学の問題。
観客席にいる、主役の後輩
「いよいよ始まりましたね。60分3問勝負。まずは、確率の問題か」
観客席にいる、主役の先輩
「いや、たしかに、1問目は確率の問題に見える。しかしだ。実際には、数列や極限が混じった融合問題だ」
後輩
「え? 赤玉と白玉の入った袋から玉を取り出す問題なのに、数列や極限が出てくるんですか?」
観客席にいる、主役の師匠
「その通りだ。この問題は、まず(1)でn=1の時についての確率を求める。そして、(2)で漸化式の導出を行う。最後の(3)の"nを無限大にしたとき"の確率を求めるには、一般項や極限の知識を使わなければいけない」
後輩
「ひえぇ、聞いてるだけで頭がくらくらしそうだ。主役君、大丈夫かなぁ」
先輩
「なぁに、主役君なら大丈夫さ。今日の試合のために、今まで一生懸命、チャート式で鍛えてきたんだからな」
数学界の巨匠
「さて、お手並み拝見、といきますか」
試合会場。ライバルは手を休めることなく解き進めていく。
ライバル
「漸化式の両辺から同じ定数を引いて・・・。ここから、等比数列にもっていくパターンか! ふはは、見えてきたぜ!」
先輩
「どうやら、ライバル君は順調そうだ。一方で、主役君は。な、なにをやっているんだ、主役君は!」
主役
「いくら世の中で機械化が進もうとも、僕は信じているよ。手作業が持つ、ぬくもりってやつを」
先輩
「まさか、赤玉と白玉の場合の数をすべて書き出すつもりか」
後輩
「だめだ、こんなんじゃ到底間に合わない!」
師匠
「むむ。まさかここでこんなにも遅れをとってしまうとは」
どうする主役君! 1問目は果たして解けるのか???
次回予告、「必殺! 解ける問題からやっていく」の巻
主役
「2問目は得意な三角比の問題だったぜ!」