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原価厨の考え方の背景

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「この原価でこの販売価格は高すぎる、ぼったくりだ!」なんていう議論をネットでよく見かけます。原価厨と言われたりしますが、ほんとおかしな考え方です。下の記事でこの問題がまとめられています。

お店で手に取る商品の価格には、材料費だけでなく多種多様な人達の手が加わり、それらのコストが上乗せされる。原材料費と販売価格だけを比較して、その差額を見て「暴利をむさぼる」という論評は、それら合間にいる人達の行為を評価しないことに他ならない。 「あの商品の部品コストはわずか何円」「それを伝える新聞の原材料費はおいくら?」

ほんとそのとおりです。しかし、なぜ原価厨のような考え方が出てくるのでしょうか。それは、視野が狭いことや行き過ぎた成果主義によって、目の前にある商品しか見えていないからだと考えられます。

視野が狭く、想像力が乏しいと、その商品に関連するビジネスの流れが理解できません。会社では、商品開発者や研究者たちが、試行錯誤の後に新商品を作ります。それを受けて、工場で商品を生産します。営業がそれを売って、お店に商品が並びます。また、販売後も、クレーム対応、在庫を抱えるリスク、材料費が高騰してもすぐに商品価格に反映できないリスクなどを抱えています。これらのリスクやコストが販売価格に反映されていることが想像できないんでしょう。

もしくは、「形の見える実績しか評価しない」という行き過ぎた成果主義の影響かもしれません。現実には、結果に直接的に貢献していない仕事もたくさんあります。例えば、新商品に採用されなかった商品開発の仕事は、結果的には無駄です。しかし、この無駄がないと実現化される新商品も出てきません。いきなり解にたどりつくプロセスを踏めるということはありえません。

こういう視野の狭い人や結果にこだわりすぎる成果主義の人は、「営業の俺がこんなに稼いでるのに、なんで給料がこれだけしかないんだ。他部門は稼いでないのに、なんで給料に大差がないんだ」とか言ってそうです。気持ちはわかりますが、それはプロセスが見えていないということのあらわれであり、頭のいい人の発言とは解釈されないでしょう。

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