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大金持ちが自分の趣味に大金を使うことについて

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「題名のない音楽会」は、日曜朝に放送されている、クラシックを中心とした音楽番組。この番組は、出光興産の1社提供となっている。この創業者・出光佐三による「芸術には中断はない」という考えから、番組の途中でCMが流れないようになっている。

ソニーレコードの初代社長・大賀典雄は、退職金16億円を軽井沢に寄付した。その結果、軽井沢大賀ホールというコンサートホールができた。

たくさんお金を持っている人が、こうした芸術関係にお金を使うことに対して、昔は「あぁ、めっちゃ金持ってるんだな、自分の趣味にお金を使えてうらやましいな」くらいにしか思っていなかったけど、最近はちょっと感覚が変わってる。

そのきっかけの一つになったのが、大阪市で起こった、文楽助成金の廃止。僕は文楽の知識は全くなく、仮になくなったとしても正直個人的には困らない。ただ、一般論として、「一度流れが途絶えてしまったら、復活させるのはすごく大変」ということはわかる。

今の時代、ビジネスとしてワークしない芸術は、日の目を見ない。ビジネスとして成り立つなら、宣伝にも力を入れられるし、他のビジネスとの連携もしやすい。逆に、芸術の要素が足りてないのに、無理やり宣伝してビジネスに仕上げていくような場面さえ見ることもある。

昔もお金にならない芸術はいっぱいあったと思うけど、今は「お金になる芸術」に人がどんどん流れていく時代だと思う。観賞する人も創作する人も少なくなれば、お金にならない芸術はどんどん小さくなる。

お金を流してまで守らないといけない芸術なんて必要なのか、っていうのは悩ましい問題だ。「今まで続いていた何十年、何百年の歴史が終わってしまう」というお金にできない価値の喪失もあるし、「じゃあ、その金は誰が出すんだ」というリアルな問題もある。

クラシック音楽はまだまだ人口が多いから、日本から消えてしまうことはないだろう。でも、給料の少ない演奏家たちは多いそうだ。そうした中、自分の興味ある趣味のために多額のお金を出せるっていうのは、「文化を守ってる」感がある。こうした意味で、今は、単なるうらやましさとは違った印象を持っている。

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