年金情報漏洩に便乗した詐欺事件
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数日前のニュースで、こんなのがありました。
「年金そのものは漏れていない」 菅官房長官:朝日新聞デジタル
野党が「漏れた年金問題」と言っているが、年金そのものが漏れているわけではないので、この表現は適切ではない。菅官房長官がこのような発言をした、というニュースです。
言いたいことはわからなくもないですが、当然のことながらネットでは叩かれています。僕も、今は漏れてないけど、これから漏れ出す案件が出てくるんじゃないか、って気がして次のようにコメントしていました。
「今回の事故であなたの年金情報が漏れ、さらに支払履歴も書き換えられていた。現状未払いが発生し、将来年金を受け取れないかも。今すぐ不足金を振り込んで」という振り込め詐欺電話がかかってきて、結局漏れる。
で、次の日にこんなニュースが出ていました。
「個人情報が流出しているキャッシュカードのデータを消すからカードを預かる」と言われ、渡したカードを使って現金が引き出されてしまったという詐欺被害を伝えるニュース。手口は上のコメントの内容と全然違うけど、今回の情報流出問題を悪用した詐欺事件であることには違いありません。ただ、この事件に対するコメントの中には、「情報漏洩に便乗しただけで、情報漏洩とは関係ないのでは?」というものもありました。
確かに、流出したデータが使われるという直接的な被害ではありません。しかし、詐欺を働く人にとって、自分たちのつく嘘に信憑性を持たせることができてしまうという点で、この情報漏洩は罪深いと思います。
100%の完璧な嘘というのは、なかなか作り上げることができません。ボロが出てしまいます。しかし、話の中に本当のことをいくつか織り交ぜることで、嘘を嘘だと判断しにくくなります。ひっかかりやすさが増したことは問題です。
便乗詐欺があったからといって、日本年金機構に罪を問うことはできないでしょう。しかし、こうした詐欺を含めた二次被害、三次被害を出さないためにも、おおもとの情報管理をしっかりしておくべきでしたね。漏洩した後に言っても意味ないですけど。