複数の選択肢を見せること
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前に、「見えない選択肢を見ること」という記事を書きました。選択肢を提示されると、なんとなくその選択肢から答えを選んでしまいそうになるけど、そこにない選択肢のことも考えたいですね、って内容です。これは自分が選ぶときの話ですが、逆の立場、つまり、相手に選んでもらいたいときにも重要だと思います。
例えば、何か提案をすることになったとします。このとき、もちろん「ぼくのかんがえたさいきょうのアイデア」一本で勝負することは可能です。このアイデアのどこがいいか、どんなメリットがあるか、どんな問題を解決するか。いろいろなメリットを考え、ダメな部分は修正し、細部まで作って提案するという作戦はあります。
ただ、一案だけだと、提案を受けた人は、「それを採用するか採用しないか」の選択になってしまいます。一方、複数案あれば、「どの案を採用するか」の選択になりやすいです。
一案だけの場合、提案を受ける方に「もっといい案があるんじゃないのかなぁ」という先入観があると、「この案のここがダメ、あれがダメ」とダメな点が気になってしまいます。提案後には「やり直し」の刑が待っているかもしれません。一度ボツになった案を修正して持って行っても、さらに修正が入って採用までに時間がかかったり、修正して出来上がった案が骨抜きになってしまったりしやすいです。
一方、複数案の場合、「ありえそうな案はこれくらいだし、この中から選ぶのが妥当かなぁ」という考えになりやすいんじゃないかと思います。「もっといい案があるかも」というのは、幻想だったと気づいてくれるかもしれません。また、自分の一押し案にデメリットがあったとしても、「他の案のデメリットに比べればマシだな」と考えてくれる可能性もあります。
もちろん、複数案を持って行ったのに、すべてが却下されてしまう場合もあります。また、自分の一押し案が却下され、「あまりよくないな」と思っていた案が採用されてしまうケースもあるでしょう。ただ、自分のベスト案1つだけで勝負するよりも、「相手に複数案からどれかの案を選ばせる」方が、話を前進させやすくなるんじゃないか、と思っています。