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広告ブロックとアンダーマイニング効果

これ、なかなか興味深い話です。

モチベーションを下げる罠、「アンダーマイニング効果」にご注意。 - 烏は歌う

wikipediaでは、アンダーマイニング効果とは、「内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象」と説明されています。上のサイトでは、「外発的なモチベーション」が、「内発的なモチベーション」に「負の影響」を与えること、という説明。

抽象的な説明だけだとわかりにくいですが、上のリンク先には次のような例も挙げられています。空き地で遊んでいた騒がしい子どもたちに、適当な理由をつけて毎回お金を与え、徐々に金額を減らしていき、最終的にはゼロ円にする、そうすると子どもたちは「お金をくれないならもう来ない」というようになり、追い出しに成功できた、というお話。これは、子どもたちの「空き地で遊びたい」という内発的なモチベーションに対し、お金をもらうという外発的な動機付けによって、やる気がなくなった、というアンダーマイニング効果の例になっています。

さて、最近のアップルの動きもあって、広告ブロックが話題です。ウェブから広告収入を得られる人が減るため、「ウェブでテキストを書く人が減るんじゃないか」、もっと強調して、「ウェブは死ぬんじゃないか」という意見も出てきています。一方で、「昔はみんな広告収入がなかったのに、サイトを開設していた。だから、たんに昔に戻るだけだ」という意見もあります。確かに昔はそうでしたが、上のアンダーマイニング効果にもある通り、「昔に戻るだけ」にしては、大きな外発的モチベーションを長期間与えられてきたようにも思います。現時点では、ウェブから人が減っていくシナリオの方が、起こりやすいじゃないかと思います。上の例に出てくる、空き地から消えていった子どもたちのように。

確かに、不快な広告や、広告をクリックさせるための不快なサイトはありますが、広告ブロックは一気に逆サイドに振れてしまった感じがあります。個人的には、サーバー代をまかなえるくらいの広告収入は欲しいところですけど。

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