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「下町ロケット」の会社に足りなかったのは、「真野賢作」という男

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前の日曜に最終回だったドラマ「下町ロケット」。このドラマに「真野賢作」という若手技術者が出てきます。彼は、会社の方針に納得できず会社を裏切って退職するのですが、その後新しい案件を持ってきてまた一緒に仕事をするようになります。このドラマを見て、この会社には、彼のような役割をする人が必要なんじゃないかと思いました。

新しく市場を作っていくプロセスは、「新しい問題を設定すること」「設定した問題を解決すること」「問題をより上手に解決すること」などに分けられます。2つ目は開発に関する話で、3つ目は量産化やコストの話です。ともに、実行するには技術力が必要です。しかし、1つ目の話は、技術力で解決するようなものではありません。

ドラマで言えば、バルブシステムや人工弁の開発が2つ目、バルブシステムの量産化が3つ目に該当します。そして、「子どもの体に合う人工弁を作る」という目標設定が、1つ目にあたります。技術力をいくら高めても、こういった目標設定ができるわけではありません。まったく違う力が必要です。

「日本人は、技術力は高いのに、主張が下手」というような話をよく聞きます。「主張が下手」というのは、「こういう問題があるから困るなぁ、こういう技術があればこの問題を解決できるのになぁ」と思っている人に、「自分の技術力が役立ちますよ」ということが伝わっていない、ということだと思います。しかし、自分で問題を設定していくことこそ、必要なんじゃないかと思います。そして、それができた唯一の人物が「真野賢作」です。

もちろん、技術力がないと、設定した問題は解決できないでしょう。しかし、世の中「技術力」と言いすぎなんじゃないでしょうか。「下町ロケット」を見て、「そうか、技術力があり、夢を持てば、成功するんだ」なんて思っちゃうのは一番まずくて、「技術力があっても、どんな問題を解決できるか思いつけなければ意味がないんだ」と思うのが正しい気がします。

ちなみに、技術力だけでは新しい市場は作れない、というような話は、次の本が参考になります。結構分厚い本ですが、具体例が多くて読みやすいので、オススメです。

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