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冷静と情熱のあいだ、にあるネタバレ

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前に「亀田音楽専門学校」という番組を見た感想を書いたけど、あれってある意味ネタバレ番組ですよね。過去のJ-POPで使われていた技法、テクニックを、あーだこーだ分析しているわけなので。

こういうネタバレって、知ったときはおもしろいと思うんだけど、次に触れたときに、分析的に見てしまうっていうか、純粋に楽しめないっていうか。もう元の感じには戻れない気がするんですよね。

例えば、「この曲には、こういう目的のために、こういう技法を使ってます」って言われると、次にその曲を聞いたときに「あぁ、前に聞いた技法が使われているのはここか。確かに、目的が達成できてそうだな」というような聞き方になってしまう。昔その曲に抱いていた情熱が消えていて、冷静になってしまう。自分で気づいていたことなら、情熱は消えにくいかもしれないけどね。

音楽以外でも、似た話はあります。

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のあのとんでもないシーンはこうやって撮影された - GIGAZINE

「腕がないシーンは、こうやって撮ってるのか」と勉強にはなるんだけど、今後このシーンを見るたびに、「このシーンってこういうからくりで撮ってるんだよね」って思ってしまう。ちょっと冷めてしまう。

タネを知ってる状態で、手品を見ている感じに近いかな。

こうした「舞台裏を見せる」というのは、舞台の表しか見ていない人にはとても需要があります。だから、一つのコンテンツとして成立するんですよね。ただ、ネタバレのたびに、情熱的だった観客は冷静になってしまう。今後みんなが抱き続けていたであろう「情熱」を一瞬で供給してしまう、ネタバレにはそんな効果があると思います。

テレビ番組でもネタバレコンテンツは多いけど、ネットの普及にともなってネタバレコンテンツはさらに増えたように思います。しかも、ただ増えただけではなくて、ネタバレコンテンツが登場するのも早くなった、つまり、冷静になってしまうまでの時間が早くなってきたようにも感じます。

舞台裏を知りたいという気持ちと、舞台裏を知ったら知る前には戻れないという事実。どちらを選ぶべきか、悩ましいですね。

竹野内豊 ポニーキャニオン 2002/06/19
(888文字)

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