「しくじり偉人伝」は別番組にしたほうがいいと思う
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ゴールデン番組を次々と終了させていった男によって、とあるゴールデン番組が乗っ取られるかもしれない。しくじり先生のワンコーナー「しくじり偉人伝」を担当している、中田敦彦(オリエンタルラジオ)を見ていると、そんな気がしてくる。
先日、資本論を書いた「マルクス」をしくじり偉人伝で取り上げていた。マルクスであんなに面白い番組ができる人はいないと思う。よく知っている人が見れば「あの説明は間違ってる」という意見もあるだろうけど、NHKや池上彰の番組でもないんだし、正確性はある程度犠牲にするのは仕方ないと思う。
確かに、「格差社会を終わらせた後どうすればいいのか書いてなかったから、ソ連が崩壊した。それがマルクスのしくじり」など、言いすぎじゃないかな、という場面はあった。でも、教育番組というよりバラエティ番組の要素が強いんだし、興味を持ってもらうことを重視すれば、こういう展開もありかな、という気はする。
この授業で面白かったのは、劇場型の授業という点もあるけど、参加型の授業だったという点もある。ただ、「参加型」というのは見かけだけで、完全に中田の支配下での参加だった。若林や吉村が若干抵抗するも、中田の出したかった結論に誘導されてしまう、という。
参加型の授業をするのと、番組を回すのは、同じ能力が必要なのかもしれない。生徒(参加者)の特徴をつかんで、答えやすい質問を出すことで、玉を相手に投げつつ、流れは自分でつかんだままにする。誰に投げればどんなボールが返ってくるか、それを考えたうえで話をふる。「私も秘書になりたい」などと急にぶっこんでくるあき竹城をコントロールするのは難しそうだったが。
この「しくじり偉人伝」は面白いんだけど、しくじってない人しか登場できないというデメリットがある。「しくじり偉人伝」だから、堂々としくじった部分を紹介できるというメリットはあるけど、「しくじっているのに偉人」というのは少ない。「しくじり」を外し、紹介者の対象を広げても、この面白さは成り立つと思う。スピンオフ番組にしてもいいんじゃないかな。今のオリエンタルラジオなら、できるんじゃないだろうか。