芸の明るさと地方営業
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これを読みました。
テツandトモの“地方営業の戦略”がスゴすぎる「毎日新ネタをやっているようなもの」 | 日刊SPA!
記事では、主に「観客に合わせたローカライズと内輪ネタ」について書かれています。企業や自治体のイベントでは、担当者との事前打ち合わせで、その企業や地元に関する情報を引き出す。そこで引き出した情報や方言を取り入れたネタを披露することで、観客たちは「なんで知ってるの?」と喜んでもらえる、と。
普通、芸人はテレビの露出を増やそうとします。単純に「テレビに出たいから」というのもあるけど、「テレビに出ると営業の仕事が増えるから」というのもあります。しかし、テツandトモの場合は、テレビの露出を増やさなくても、営業の仕事が次の営業の仕事を呼ぶ、というパターンになっているように思います。
上の記事では、ネタの題材の話が多いけど、「人を傷つけない笑いができる」点も重要だと思います。自虐ネタや毒舌ネタが得意な芸人は多いですが、明るい雰囲気のイベントに呼ぶにはリスクがあります。
自虐ネタや毒舌ネタは、芸人のキャラを理解していないと面白くないことも多く、むしろ不快に感じる人もいます。例えば、企業のイベントで社長や役員に対する毒舌ネタをやれば、社員にはウケるかもしれません。しかし、偉い人にネタだと理解されず、あとで担当者が怒られるパターンはありえます。そうすると、もうその芸人は呼ばれません。内輪ネタを取り入れるほうがダメなケースはあります。
一方で、テツandトモの場合は、あるあるネタの一種なので、初めて見る人でも不快になることはないでしょう。とにかく明るい安村よりもとにかく明るいテツandトモのネタなら、イベントの雰囲気がぶちこわしになることはほとんど起こらないはずです。
顧客に合わせた内輪ネタをすることは、毎回新ネタをやることと同じであり、大変です。しかし、あるあるネタは、新ネタを作るのがだんだん難しくなる分野でもあります。限られた観客に内輪のあるあるネタを提供する、というのは、「飽きられない」という点で、テツandトモにとってもメリットのある戦略だと思います。