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どこでそのCMを見るか

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昔は、CMというと、テレビやラジオから流れてくるのが一般的だった。

僕が学生の頃は、ラジオもたまに聞いていたけど、テレビCMのラジオ版が流れてくると、なんとなく興奮した。何度もテレビで見て内容は知っているし、AMラジオの音はノイズがあって少し古い印象を受けるんだけど、とても新鮮な印象を受けていた。「音だけ」という環境の違いに加え、ラジオ用に少し手直しされているのが効いていた。

今でも、映像CMを見るのはテレビが多いが、テレビ以外でも見る機会は増えてきた。最近では、電車内のモニターで映像CMが流れていることがある。また、動画サイトで、目的の動画を見る前に映像CMを見せられることも頻繁にある。車内で映像広告が流れるタクシーにもたまに出くわす。

電車内や動画サイトでの映像CMは、テレビCMと同じ内容であることが多い。電車内では音が出せないので、字幕がついている点が異なるが、映像そのものはテレビCMと同じだったりする。

もちろんそれでもいいと思うけど、そのまま流用したためにダメになっているCMもよく見かける。

例えば、電車内の映像CMでは、字幕が多すぎて映像の印象が薄くなっていることがある。もともと映像に文字が入っていて、文字も映像のデザインの一つになっているCMの場合は、簡潔な言葉で説明されているが、もともと音声で説明しているCMは、字幕にすると情報量が多すぎる。15秒の中に情報を詰め込むから、それをテキストにすると読むだけで終わってしまいがちになる。

また、動画サイトでは、飛ばされることを考慮していないものも多い。頭の数秒間で社名も商品名もそれらの映像も何も出てこないことがある。広告映像は飛ばせるようになっていることが多いが、飛ばされる前に何のCMかくらいはわかってもらう必要がある気がする。

最近では、飛ばされないように「最後までこのCMを見てください」という、CMの冒頭が「CMのCM」になっているケースもあるけど、対処法はそれじゃない気がする。コストはかかるが、ラジオCMみたいにもう少し手直しするか、はじめから他の環境でも流用できる内容にしておくのがいいと思う。

(888文字)