相手を怒らせて本音を言わせる手法について
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相手にわざと怒らせるようなことを言って、本音を言わせようとする手法ってありますよね。政治系の討論番組ではよく見かけるし、少し前のリオオリンピックでの体操の記者会見のときにも話題になりましたよね、悪い意味で。
怒っているときに言ってしまう言葉は、「本音」なんですかね。まったく思ってもないことは言えないでしょうけど、どれだけ思っているか、それが気持ち全体の中でどれだけを占めているかは、ケースによって違いますよね。
あるものに対して、100%良いと思ってる場合も100%悪いと思っている場合もあるけど、「ここはいいけど、ここは良くないな」とか「どうしようもなくダメだけど、ここだけは認める」みたいに、いいところと悪いところが混じっていることの方が多いです。
そういった状況で、相手を怒らせて出てくる言葉というのは、普段「ここが悪いな」と感じている部分だけを、100のウェイトにしたものじゃないかと思うんですよ。それってその人の本音と言っちゃっていいんですかね。
例えば、友達や恋人とけんかしたときには、普段感じている悪い部分だけを抜き出して、言葉にしてしまいがちです。それは、本音の中の、ある小さな部分だけにフォーカスしたものですよね。それは本音の一部分だけど、全てではありません。
そんな一部分だけを取り出して、「これが本音だ」とまわりに伝えるのはミスリードだと思います。まー、悪いことをした人にやるならまだわかりますが、これから議論しようとしている人やメダルをとった人にやる方法ではないでしょうね。
相手を怒らせれば、手っ取り早く何かしら強めの反応が返ってきやすいです。なので、この手法はよく使われてしまうんでしょうね。ただ、それってまわりが見ていて不快だし、得られる回答も本音だとは言えないと思うし、あんまりいい手法ではありません。今後、ノーマルな状態で質問しても、何も返ってこなくなってしまうかもしれません。
鋭い質問っていうのは、鋭い刃物で心を傷つける質問という意味ではないでしょう。少なくとも、相手を理解しようとしている、という姿勢が見えないと、本音までたどり着けない気がします。