「買い物に対するこだわり」がない
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近所のスーパーにはないんですけど、生産者の顔写真のついた食品が売っている店ってあるじゃないですか。他にも、野菜を育てている風景や商品の作成現場を、写真や動画にして載せているネットショップとか。僕はあまり買い物に対するこだわりがないので、正直、自分の買い物行動にはほとんど影響しません。
「モノを買うときに考慮する指標として、何が力を持つか」は、もちろん人によって違いますが、時代によってもトレンドのようなものがあったと思います。「みんなが持っているもの」という事実が強かったときもあるし、「ブランド」が強かったときもあるし、「価格」(安さ)が強かったときもあります。
バブルがはじけた後は、この「価格」が強い時代が続きました。ただ、コストカットをするために、作業の効率化、機械化、IT化をやるにしても、続けるには限界があります。そこで、「機能」が強い時代が始まってきますが、結局この波も「価格の強さ」の前に、力が弱まっていきます。
やがて「機能」の意味するところが拡大し、ここに「デザイン」が加わり始めます。機能性を持ったデザインが強い時代が生まれ、価格低下とはいい戦いをしています。数値などではなく、「比較しづらいもの」で戦わないと、すぐに価格の競争に巻き込まれてしまいます。そういう意味で、「デザイン」はいい軸です。
比較しづらい軸として、「ストーリー」もあります。この商品はこうやって生まれた、こういう人たちがこういう思いで作った、というストーリーを提示する、というパターン。生産者・作成者が、ネットでこういった情報を簡単に発信できるようになったので、ストーリーで戦うこともできるようになったんですね。
自分の場合は、モノへのこだわりがあまりなく、使う軸は、基本的に価格と機能だけです。ストーリーを見せられても「重いな」と感じてしまいます。「こだわりのある人」「この商品だけはこだわっている人」には必要な情報ですが、全員に見せる必要はないかもしれません。人によって使う軸が違うので、情報の入り口を分けておかないと、不要な軸を見せられて逃げてしまう人もいるんじゃないか、と思います。