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ショートカットと囲い込み

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僕のところには、エクセルに関する質問がちょくちょく来ます。そんな質問の中で最近驚いたのが、ショートカットに関するものです。

質問の内容は、「Lotus 1-2-3ではこういうショートカットがあるんだけど、エクセルではどうやるの?」という内容でした。

Lotus 1-2-3というのは、エクセルと同じ表計算ソフトです。今は表計算ソフトと言えばエクセルですが、昔はLotus 1-2-3もかなり使われていました。21世紀で見かけることはほとんどなくなりましたが。

質問者は、過去に使っていたLotus 1-2-3のショートカットから抜け出せず、今までエクセル上でもLotus 1-2-3のショートカットを使っていたそうなんですね。エクセルのオプションの詳細設定の中に、「Lotus 1-2-3形式のキー操作」という項目があります。僕もあるのは知っていましたが、使っている人は初めて見ました。

この質問のやり取りを通じて、「ショートカットは顧客の囲い込みになるんだなぁ」と感じました。

継続割引があるとか、ポイントがたまるなどといった方法で、企業が顧客を囲い込もうとすることはよくあります。ウェブサービスでは、「無料」でユーザーを囲い込む戦略が多くとられています。

ウェブサービスでは、データ形式が特殊とか、データがエクスポートできないといった、ネガティブな囲い込み方もあります。しかし、普通は、使い勝手をよくすることで囲い込むほうが健全だし、長続きするでしょう。「使い続けるしかない」より「使い続けたい」のほうが、明らかに健全です。

使いやすさの中には、ショートカット機能も含まれています。ウェブサービスでは、jキーが次へ移動、kキーが前へ移動、といったショートカットが割り当てられていることが多いです。こうした標準的なものに加え、そのサービスでよく使う機能も割り当てられていると、もう他のサービスには移行することが難しくなります。僕も、今エクセルのショートカットが全部使えなくなれば、相当不便に感じてしまいます。

ショートカットは小さなことかもしれないけど、囲い込みに十分効果があると思います。

(888文字)