絵画を見るときに考えていること
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前に書いた「作品に対する他人の評価をどう使っているか」という記事で、「作品の価値というのは自分もわからないけど、好きか嫌いか、おもしろいかおもしろくないか、くらいはわかるんじゃないか」と書きました。
このときに想像していた「作品」というのは、映画とか小説とかアニメとかでした。ただ、よくよく考えてみると、「いいのか悪いのかさえ、見てもわからない」ものもありました。絵画です。
前にロンドンに行ったときもそうですが、海外旅行の途中で美術館に寄ることがあるんですよね。日本でもごくまれに行きます。そのときに、絵画を見るのですが、さっぱり良さがわかりません。教科書で見たことあるものを見かけたり、何か「仕掛け」がある芸術作品を見ると、「おー!」と思うのですが、純粋に絵を見ても特に何も思わないんですよね。好きも嫌いもないし、いいとも悪いとも思わない。どこをどう見ればいいんだろうなぁ、という感じ。
そんな状況でも、まず絵のデカさについて、考えることはあります。どうしてこんなデカい絵を描こうと思ったんだろうな、っていう。そういう変なところが気になります。学生だったとき、美術の授業で使っていたあの画用紙でさえすごく大きく感じたのに、その何倍もあるサイズの紙に描くのって、どんなやる気を出せばそうなるんだろう、と疑問に思います。
あと、なぜそれを絵にしようとしたんだろう、というのも考えることがあります。例えば、風景画があったとして、全然何の変哲もない風景だったとして、「どうしてわざわざこれで絵を描こうと思ったんだろうな」というところが気になります。
人物ならね、ただ座ってるだけの、何の変哲もないポーズでも、いいと思うんですよ。モナリザみたいな感じ。もちろん、ナポレオンのアルプス越えの絵のように、構図がかっこいいものは、それはそれでいいですよね。
ただ、何もない野原とか、テーブルの上にヨレヨレの布とフルーツを置いてるのとか、どういうモチベーションでそれを描こうと思ったんだろうな、というのは疑問に思います。
ま、そういうことで、基本的には人の評価がないと、絵画はまったく意味が分かりません。