連体修飾の制限用法が非制限用法に誤読されて炎上するパターン
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炎上した後に、「誤解を与える表現だった」と謝って、さらに炎上する、というパターンを見かけます。「誤解したお前らが悪い」ととらえられたり、「誤解の余地がないだろう」とツッコまれたりして、「謝罪が謝罪になっていない」として、炎上するパターンです。こういうことももちろんあるのですが、実際に「誤解されやすい表現で炎上してしまってるなぁ」ということもあります。その1つが、制限用法を非制限用法に誤読されたパターンです。
例えば、「何か投資とかやってる?」と聞いて、「危険な商品には投資してないよ」と答えたとしましょう。この答えにある「危険な」は、2通りの意味にとらえることができます。
まず1つは、商品には危険なものとそうでないものとがあって、前者に限定して話をしている、というパターンです。この場合、危険じゃない(と話し手が思っている)商品には投資している可能性もあります。
2つ目は、投資商品は全部危険だと考えているパターンです。この意味で言っている場合は、商品を危険なものとそうでないものとに分けるという発想はありません。そのため、「危険な」という言葉は、商品全体から一部分だけを抜き出して限定しているわけではありません。単に、特徴をより詳しく説明しているだけです。
1つ目のような制限用法として話した場合、「すべてが危険というわけではない」ことが想定されています。しかし、2つ目のような非制限用法ととらえられた場合、「話し手は『すべてが危険』と想定している」ととらえられ、「すべてが危険というわけではないだろう」という考えを持っている人からは批判されるかもしれません。両者とも「すべてが危険というわけではない」と考えているのに、批判が起こってしまうわけですね。
逆のパターンもあるでしょう。例えば、「かわいい子どもたちを救おう」と言った場合、非制限用法では「子どもは皆かわいい」という前提ですが、制限用法だと「かわいい子どもだけを対象にしている」となり、批判されるかもしれません。
テキストにすると違いがなく、わかりにくいです。この点で意思疎通に失敗している炎上をちょくちょくみかけます。