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僕のまわりにある後継者難型倒産

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昔の僕であれば、「後継者難型倒産」と聞いて頭にパッと思い浮かぶのは、「町工場の社長は引退したいのに、子どもたちが後を継ぐ気がなくて、倒産」っていうパターンでした。ドラマでもそういう設定はよくあるし、実際に聞く話でもあります。

ただ、最近の僕は、工場じゃなくて定食屋が先に思い浮かぶようになりました。

僕が住んでるまわりでは、老夫婦がやっている定食屋がいくつかあります。中には雑誌などでよく紹介されているようなお店もあります。それらのお店が少しずつつぶれていってるんですよね。お客さんはたくさんいるので、儲かってないわけではないはずです。もう店を続けられる年齢ではなくなってきたんでしょう。

この前も、近所を歩いていたら、「この辺に、○○という店はなかったですか?」と声をかけられたんですよね。「あぁ、あのお店、つい最近つぶれてしまったんですよ」「そうなんですか。学生のときによく来ていたので久しぶりに行こうと思ったんですけど、見当たらなくて。そうですか、つぶれてしまったんですか」という悲しい会話をしました。

最近、後継者難型倒産の話が出ると、「給料を払ってないからだ」という意見を言う人がいます。ただの人手不足ならその要因が大きいでしょうけど、後継者不足はまたちょっと違った要因があるんじゃないかなと思います。

それは、社長が「いつまでも自分が現役で働ける」と思ってしまうことです。

後継者を見つけるチャンスはたくさんあったけど、まだ自分が働けると思っているので、後継者を育てるつもりがなかった。いや、後継者を育てないといけないという発想すらなかったのかもしれません。そして、自分の体が動きにくくなってしまった段階になると、後継者を育てる時間も少なく、育てる体力もあまり残っていないため、倒産するしかなくなってしまう。定食屋をやっていた老夫婦を見ると、そういうシナリオは案外多いように思います。

倒産してしまうのは、企業の払う賃金が少ないからとか、顧客がきちんとした料金を払ってないからとか、そういうお金の問題もあるでしょうけど、それ以外の要因もあるよなぁ。数字には表れないんですけどね。

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