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バリュー型価格設定の崩壊

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価格を決める方法はいろいろあります。「コストがこれだけかかる。そこに自分たちの利益を乗せて、この価格にしよう」とか、「これだけ顧客にバリューを与えているから、この価格にしよう」とか。価格の決め方に正解はないですが、新型コロナの影響で、バリュー型の価格設定は今後難しくなっていくかもしれません。

例えば、音楽のライブや舞台などは、目の前で見れる、生で見れるから価値があったのだと思います。これが、密を避けるためにオンラインでやりますとなれば、その価値はぐっと下がってしまいます。同じ値段でチケットを売るのは難しくなるでしょう。

もちろん、場所代がかからなくなったり、会場の定員がなくなることで、コストが抑えられたり、観客数が増えるかもしれません。なので、最終的な利益が増える可能性もありますが、チケットが安くなることは間違いないでしょう。

レストランや居酒屋、料亭なども厳しそうです。テイクアウトを始めているところもありますが、料理だけにバリューがあったわけではありません。店の雰囲気や店員のサービス、みんなで食事ができる場などにもバリューがあったわけなので、お店で食べたときと同じだけの値段は使わないでしょう。

また、これらの店はお酒を飲ませて客単価を上げていました。しかし、テイクアウトならその機会が丸ごと奪われます。客単価はかなり落ちてしまうはずです。

大学もオンライン授業しかできないなら、学生は授業料に見合わないと感じるかもしれません。実験したり、教授や同級生たちと議論したり、図書館で勉強したり、といったバリューがそぎ落とされてしまったからです。

ただ、一方で、サービスを提供するためのコストはそれほど下がりません。消費する機会が減った分、生活費は下がるかもしれませんが、サービス提供者の収入を大幅に減らすことは難しいでしょう。

バリューをベースに考えると、多くのサービス価格は下がってしまいそうです。しかし、コストをベースに考えると、それほど価格を下げることはできません。このギャップを埋める簡単な方法はなさそうで、今後どういう価格設定になっていくのか、まったく予想できません。

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