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「値上げを受け入れている」

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日銀総裁の発言が炎上していますね。

日銀総裁「家計が値上げを受け入れている」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

日銀総裁「家計の許容度、高まっている」 相次ぐ値上げに見解 | 毎日新聞

「受け入れている」「許容」というと、納得しているとか余裕があるように聞こえますが、実際にはそんな余裕はない人が多いので、炎上しているのでしょう。

これらのニュースは、6日に行われた講演の内容が元ネタです。この講演の中で、東大の教授が行ったアンケート調査(pdf)が紹介されているんですよね。

この調査結果によると、「なじみの店が商品を値上げしたらどうしますか?」と聞いたところ、以前の調査結果と比べて、「別の店を探す」「その店にはもう行かない」という意見が減り、「そのまま買う」「買う頻度は減らすけどそのまま買う」という意見が増えてた、ということなんですね。これをもって、調査チームは「家計の値上げ耐性が高まった」と結論付けています。

講演の内容を見ると、こうしたアンケート調査がある上、企業も家計も今後のインフレを予想していることから、今までの「値段を変えない」という企業行動が、今なら変わるかもしれない、個人の意識が「値上げは起こるものだ」と変わることで、(今のコスト高が落ち着いても)持続的な物価上昇が起こるかもしれない、金融緩和による経済活動の押し上げによって労働需給が引き締まったり、物価上昇がベアに勘案されるなどによって賃金も上昇し、賃金と物価が相乗的に上昇していくかもしれない、と考えてるんだろうなぁ、と読めます。(ほんとに賃金が上がるのかよ、というツッコミはあるでしょうが)

そもそも、問題の発言は、以下の講演内容の一部を切り取ったものです。

日本の家計が値上げを受け容れている間に、良好なマクロ経済環境を出来るだけ維持し、これを来年度以降のベースアップを含めた賃金の本格上昇にいかに繋げていけるかが、当面のポイントであると考えています。

まー、一部を切り取られてしまったとはいえ、たしかに言葉の選び方はよくなくて、「値上げに耐えている間に」くらいにしておけばよかったのかなと思いますね。

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