採用時期後ろ倒しの反古は「ルールを建前だと認識してます」という自己紹介のよう
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2月6日の日経新聞に載ってたこの記事を読んだんですけどね。
(ビジネスTODAY)就活、前のめり発進 解禁前に企業「説明会」、大学は「出発式」 :日本経済新聞
「今年から説明会は3月から、面接は8月から」という指針を経団連が出したんだけど、事実上もう採用活動が始まってしまってる、という記事です。「外資系がもう内定を出してる」のはいいとして、問題は経団連に加盟している企業でも、実質的な採用活動を始めていることなんですよね。「職業観を育てるイベント」と言いながら、具体的な業務内容を説明する会を開く、「3月以前に学生の個人情報は取得しないこと」という規定があるのに、学生に「自主的に」提出させる、なんてことが行われているみたいです。
もちろん、企業もいい学生を採らないといけないし、学生も就職したいので、早く動きたいという気持ちはわかります。しかし、規定を決めておいてそれを守らないっていうのはどうなんでしょうね。「ルールはこうなってるけど、実際にこんなルールを守ってるやつはいない、正直に守ってると生き残れない」というロジックで企業側が動くのって、「うちの会社は『ルール』を『建前』だと認識しています、バカ正直に守ることはありません」って自己紹介してるみたいな気がするんですよね。「残業代を全部払ってたら生き残れない」「コンプラ守ってたら生き残れない」みたいな連想が働いちゃいます。
個人的には、採用時期の後ろ倒しには反対です。卒業研究・論文執筆と就活の期間がかぶってしまうのもあるし、8月は就活じゃなくて最後に旅行に行きたい人もいるだろうし、そもそも暑い時期に就活なんてしたくない。学生にはデメリットの方が多いと思うんですよね。で、企業も上のような「後ろ倒しできない」という姿勢であれば、やっぱり「この後ろ倒しって誰のためになってるんだっけ?」という疑問が出てしまうんですよね。
一度採用した案を撤回するのって相当難しいとは思うんだけど、これはもとに戻すのがいいんじゃないのかなぁ。「ルールでは後ろ倒し、実態は変わってない」という結果になるんなら、みんな不幸にしかならないですよね。