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本当は怖い車椅子

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車椅子を使ったことがない頃は、車椅子での生活は大変そうだなと思う一方で、「座ってるだけで移動できて、楽そうだな」という思いも正直ありました。しかし、昔車椅子を一時期使っていた時に思ったのは、楽とか不便とかいう以前に「車椅子は怖い」ということです。

車椅子に乗ると、「止まったら前に押し出されるんじゃないか」という不安を感じます。座るところは腰の部分が深く、ひざにかけて高くなっていきます。なので、もともと前に飛び出しにくくなっています。それでも、動いている状態から急に止まると、上体が前に傾きます。シートベルトも何もないので、押し出されそうで怖いです。

また、坂も怖いです。一人でいるときにもし動き出したらと思うと恐ろしいです。バリアフリーの結果、いたるところから段差がなくなってますが、坂がなくなればOKというわけではありません。街中で緩やかでとても長い坂を見ることがありますが、車椅子に乗っている人からすると「段差がなくて便利」ではなく「坂が長すぎて怖い」となってしまいます。踊り場のような、平面になっている部分がところどころにないと、どこまでも下に行ってしまう可能性があります。

そして、最後に「揺れ」です。ちょっとした段差でも、振動は車椅子を通じて体全体に広がります。その結果、段差の影響は見た目以上に体に大きな影響を与えることになります。

段差は、扉の開閉する部分や道路から歩道に乗り入れる部分などで、よく見かけます。また、視覚障害者を誘導するためのブロックも、実は車椅子にとって怖い存在です。振動するたびに体全体に響くため、一か所の段差よりも、複数の細かい段差やでこぼこがあるほうが恐怖です。視覚障害者用のブロックはでこぼこが多いので車椅子に乗っている人からすると怖い存在です。とは言っても、そのブロックを取っ払うことはできません。車椅子を使う人も視覚障害者も両方とも安心して暮らせるには、ブロック問題を解決した、別の発明が必要になるんでしょう。

車椅子はどこかのタイミングでみんな乗ってみたほうがいいと思います。経験してみると、怖いなぁと感じることが多いことがわかります。

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