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「考える」ことで、余計な選択肢を減らす

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昨日、京大特色入試の数学の問題の解説を書いたのですが、結構たくさんの人に読んでもらえたようです。もっと数学っぽく、整数問題っぽく解答を書くこともできますが、まぁ難しいことを書かずに泥臭く書けば、こういう解答になるかな、と。

上の解答では、ルールの少ないゲーム(円状に並べたn枚のコインから連続するk枚のコインを裏返していき、全部表にする)から、どんどん制約を見つけていきました。「一枚が裏の状態から全部表にできるなら、どんな状態からも全部表にできる」とか「同じ箇所を2回裏返すと元に戻るので、それぞれの"連続するk枚"を裏返す回数は、1回か0回の場合だけ考えればいい」とか。

問1のように「ある状態からすべて表にできる」と言うには、「こうやってやればできますよ」と手順を示せばいいので、偶然でも見つけられます。しかし、問2のように「すべて表にすることはできない」と言うには、ロジカルな説明が必要です。「しらみつぶしにやる」という方法も可能ですが、それだと問3のような一般的な場合には適用できません。

「考える」ことで、余計な選択肢を減らしていくことができます。「論理的に考えると、このシナリオはありえない」「このケースだけ考えればいい」を繰り返していくことで、答えや答えにつながるヒントが出てきます。こうして、「ただのゲーム」が「数学の問題」へと姿が変わるわけですね。

この問題は難しい定理が出てこない(しいて言うなら「ユークリッドの互除法」が出てくる)ですが、だからと言って簡単というわけではないんですね。高い論証力が必要です。難しい定理が出てこないからこそ、その論証力が浮き出てしまう問題だと思います。

前にAO入試に関するニュースに、僕は次のようなはてブコメントをつけてました。

東京大学が初の推薦入試 きょうから願書受け付け NHKニュース

東大とか京大のレベルが下がらないように試験してほしいな。

2015/11/02 13:19

一般入試と比べてレベルが低くならないようにすれば、僕はAO入試には反対じゃないんですよね。今回の問題を見ると、一般入試で受かるほうがはるかに楽そうです。

(888文字)