僕は熱湯風呂の何が見たかったのだろう
🐣
何週間か前に放送された「マツコ&有吉の怒り新党」の中で、熱すぎる銭湯の特集があった。お湯の温度は46度とか47度とかで、スタッフがそのお湯に入ってみるんだけど、すぐにギブアップ。スタッフは熱すぎて悶絶していて、数秒しか入ってないのに体中は真っ赤になっていた。
普段見ている熱湯風呂ネタで体中がこんなに赤くなることはない。この銭湯特集を見て思ったのは、熱湯風呂ネタで使ってるお湯は、やはりそんなに熱くないんだろうな、ということだった。
しかし、これは、熱湯風呂ネタで本当の熱湯を用意してほしいとか、用意した方がいい、などと言いたいわけではない。そんな必要はないと思う。あのネタに対して、本当の熱いお湯を使うこと、つまり、リアルさを求めることは正解ではない気がする。
痛いニュース(ノ∀`) : 小島よしお、空気読めず「24時間テレビ」熱湯コマーシャルの熱湯がぬるま湯だとバレる - ライブドアブログ
かなり前にこんな話もあったけれど、そもそも熱湯風呂ネタで使う熱湯が本当の熱湯だとみんな思っていたかというと、だいぶ怪しい。多くの人は「実際には熱くないんだろう」と思っていたに違いない。それを公言するかどうかは別問題だけど。
熱湯風呂ネタで熱湯が重要じゃないとすれば、何が重要なのか。それはきっと、熱湯に入るまでの流れ、そして、熱さに対するリアクションだろう。「自分のペースで入るから押すなよ」という流れからの、「押し」もしくは「お湯かけ」。からの、不意打ちでの飛び込み。出ようとする人とその人を押し戻そうとする人たちとの格闘。そして、お湯から出て、のたうち回り、コメント。こうした一連の流れを様式美として鑑賞するのが、熱湯風呂ネタの正しい楽しみ方なんじゃないかと思う。
と、ここまで書いておいて、本当にこれを見たいのかというと、ぜんぜんそんな気がしない。おっさんたちが熱くもない風呂に入って「熱い、熱い」と言って暴れるネタなんて(こう書くと、やけにシュールだ)、本当に見たかったのだろうか。
そもそも熱湯風呂ネタってなんでやってるんだっけ、ということがさっぱりわからなくなった銭湯特集だった。