「中田歴史塾」はヒトラーで2時間やったほうがよかったと思う
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これを見ました。
「しくじり先生」内の1コーナー「しくじり偉人伝」がスピンオフしてできた番組「中田歴史塾」。この一回目の特番が、9月11日に放送されていました。
1時間目は、「二度と独裁者に戦争を起こさせないための歴史学」ということで、ヒトラーを取り上げていました。教室がどよめきましたが、確かにテーマとしては攻めていました。
「思い出したくない歴史から目を背けるんじゃなくて、ちゃんと学ばないといけない」という動機づけをした後、ヒトラーが独裁者となっていくストーリーがわかりやすく説明されていたと思います。
が、後半は少しモヤモヤしました。ユダヤ人を敵視し、国民がそれに乗っかってくるにしては、動機が足りないように感じました。いくら演説が上手でも、突然「ユダヤ人」の名前を出してきて、「今まで見えてなかった敵です」と言ったところで、聴衆は納得しないような。ストーリーに足りない部品があるように思いました。
例えば、高速道路アウトバーン建設などの経済政策。機械化すべきところをあえて減らすことで多くの労働者を雇えるようにし、失業者を減らすことに成功しました。第一次世界大戦で負けて貧しさに苦しんでいる国民に向けて、こうした経済政策を実施し、国民にさまざまな恩恵を与えてから、「今までお金に困っていたのは、金の亡者たちのせいだったんだよ」と仕向けた。こういった動機づけも紹介すると、よりわかりやすくなったと思います。
それに、第二次世界大戦のことや、日本とドイツが仲間だったことなどは、最初では触れるけど、最後の方ではほとんど出てきませんでした。タイトルに「戦争を起こさせないための」とついているなら、この辺も聞きたかったな。内容が重すぎて、さすがにこの番組でやるのは無理なんだろうけど。
授業の進め方はいつもの通りひきこまれる感じで、エンタメとして楽しかったです。授業(≒プレゼン)には、「稽古量を感じる」。
2時限目のインドもよかったけど、ヒトラーで2時間やったほうがよかったんじゃないかなぁと思います。