この時代に若者は何を学ぶべきなんだろうなぁ
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今、わけあって中学一年生に数学を教えているんだけど、教えながら「今の若者は何を学ぶべきなんだろうなぁ」ということをよく考えるんですよね。お母さんともときどきそういう話をしています。答えが出ることはないんですが。
今定年退職するかしないかくらいの年齢の人にとって、「学歴があれば、将来は安泰だ」という考えは、自然なものだったと思うんですよね。大卒者もそんなに多くなかったし。
でも、大学の数が増え、大卒者も増え続ける一方、知的労働者向けの椅子が合わせて増え続けることはありません。就職氷河期以降は「学歴があれば安泰」と考える若者は、減っているはずです。
それに、知的労働者の椅子は、今後もそんなに増えることはないでしょう。難易度の高い仕事は残るかもしれないけど、難しくない仕事から徐々に機械に置き換わっていくんでしょうね。
それでも、学歴や学校の勉強を捨てていいことにはならないと思うんですよね。学校の勉強には、「生活に必要な知識を学ぶ」という面もあるし、「新しい概念を通じて、理解力や発想を鍛える」という面もあります。学歴はいらないから学校の勉強がいらないとはならないし、「ここからは不要」という線引きも難しいです。
それに、もし学歴を捨てるにしても、代わりに何かを学ばないとダメですよね。単に失ってるだけになってしまいます。でも、何を学べばいいんだろう。英語や英会話? 英語だって、これから翻訳の精度が上がっていくだろうと言われてるのに、全力でベットできるんだろうか。プログラミング? 数学を理解できない頭で、難易度や抽象度が高いレベルのプログラミングができるんだろうか。そもそも、ディープラーニングなどの本を読むと、微分や積分や行列が出てくるから、数学をやってないと厳しそう。
何をするにも競争相手が多いので、何を学んでも中途半端になってしまいそうです。しかも、どの世界でも、勝ち残れるラインがどんどん高くなっていきそう。言葉の壁がなくなれば、競争相手は世界中に広がるわけで、競争が楽になることはないだろうし。
「何を学ぶのがいいんだろうなぁ」と思いつつ、数学を教え続けている毎日です。