セルロース読解問題を考えてみる
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昨日の記事に、読解力調査のセルロースの問題がなかなか難しいと書きました。その問題は次のような内容です。いろんなところで引用されていますが、AIが大学入試を突破する時代に求められる人材育成(pdf)などで見ることができます。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。 セルロースは( )と形が違う。 A. デンプン B. アミラーゼ C. グルコース D. 酵素
長いですが、一文なんですよね。ここに、いろんな情報がグッと詰め込まれています。そのため、理解するのも難しくなっています。
まず、前半部分のメインは「アミラーゼはデンプンを分解する」です。他に、「アミラーゼは酵素であること」「デンプンはグルコースがつながってできていること」といった情報が含まれています。
次の「同じグルコースからできていても」には、突然感がありますね。これは、後で出てくる「セルロース」の説明なのですが、この時点ではわかりません。
後半部分のメインは「アミラーゼはセルロースを分解できない」です。他に「セルロースがグルコースからできていること」「デンプンもセルロースも、何からできているかは同じであること」「デンプンとセルロースは、形が違うこと」という情報を含んでいます。
一文にすることで、短く伝えることができます。しかし、情報を読み取ることが難しくなることも多いです。文章を分解することも難しくなるし、情報量も多くなるため、スッと頭に入ってきにくくなってしまいます。これをスルスルと読んでいくには、分解処理を早く行うためのCPUと一時的な情報を格納するメモリが頭の中に入っていないといけません。
「読解力があまりない人は単語がシンプルにつながった平易な文なら分解できるが、同じ単語からできていても、構造が複雑な文は分解できない」。この文の構造はセルロース問題と似ていますが、比較しているものがこれくらい似ていれば、「複雑な文は平易な文と構造が違う」と理解できると思います。
なお、セルロース問題の答えは、Aのデンプンです。