カレーライスと分配法則
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分配法則っていうのは、中学数学の最初の方でやる、次のような内容です。
a×(b+c)=ab+ac
言葉で言うと、「まとめてa倍するのは、それぞれa倍してまとめるのと同じ」となります。この式で、最後のacのところをcだけにしちゃう、そんな間違いがよく見られます。習い始めのころに間違う人がいるのは当然ですが、受験生でも凡ミスでやっちゃうこともあります。また、文字じゃなくなった途端に間違う人もいます。特に、aのところにマイナスが入ると、間違ってしまう率が高まります。
x-2(b+c)=x-2b-2c
この式で言えば、最後の「-2」を「+2」にしちゃう間違いですね。他にも、かっこの中が長くなってくると、最後の方で掛け忘れをする間違いもあります。
この「a×(b+c)=ab+ac」なのに「a×(b+c)=ab+c」とやっちゃう間違いを、日常生活で例えるとどういう感じになるでしょう。分配法則を、あえてカレーライスで例えてみると、こういう感じになります。
2人分のカレーライス=2人分のカレールーと2人分のライス
等式が成り立つのは、当たり前です。食べる量的には一緒です。さて、分配法則で最後の掛け算を忘れちゃうっていうのは、カレーライス的に言うと、こう間違うってことです。
2人分のカレーライス=2人分のカレールーと1人分のライス
ルー多すぎです。
カレーとライス、セットでカレーライスです。それを2人分用意するっていうことは、カレーのルーも2人分必要だし、ライスも2人分必要です。それぞれ2人分です。「a×(b+c)」も一緒で、「(b+c)」は、カッコがついていることからもわかる通り、bとc、合わせてワンセットです。その全体をa倍するということは、それぞれa倍する必要があるんですよね。じゃないと、ルー多すぎのカレーみたいになってしまいます。
日常生活で考えると当たり前ですが、数式になるとわからなくなったり間違ってしまうのは、数式だと話が抽象的過ぎるからです。分配法則も、カレーライスのことを頭に思い描きながらやれば、名前のインパクトほど難しいことをやってるわけではない、とわかると思います。